LESSON 09 ② 制作フェーズ 基本コンテンツ 読了目安 14分

台本作成

台本は「話すことのメモ」ではありません。視聴者を最後まで連れていくための設計図です。視聴維持率は台本の段階でほぼ決まります。ここでは、そのまま埋めれば形になる構成テンプレートと、離脱を防ぐ具体的な技術をまとめます。

🎯 このレッスンを終えたときの状態

01

維持率は「冒頭30秒」でほぼ決まる

視聴維持率のグラフを見ると、ほぼすべての動画で開始直後に最も大きな落ち込みが発生します。ここで残った人が、その後の視聴者です。つまり冒頭30秒の設計は、動画全体の中で最も投資対効果が高い作業です。

冒頭でやるべきことは3つだけ。逆に、やってはいけないことも明確です。

冒頭30秒でやることやってはいけないこと
①この動画で何が分かるかを言い切る長い挨拶・自己紹介(10秒以上)
②なぜあなたが話すのかを一言で示す会社の沿革・事業紹介
③この先を見る理由(結論の予告)を渡す「今日はですね〜」という前置き

📋 冒頭30秒の型(そのまま使える)

【0〜5秒|結論の先出し】
「〈テーマ〉で失敗する人の9割は、〈意外な原因〉が理由です。」
 ※視聴者の予想を軽く裏切る一言から入る

【5〜15秒|自分ごと化】
「〈場面〉で〈悩み〉を感じたことがある方は、この動画が役に立ちます。」
 ※ペルソナが「自分のことだ」と思う場面を名指しする

【15〜25秒|名乗り(短く)】
「〈会社名〉の〈氏名〉です。〈実績を一言〉として、〈経験〉から解説します。」
 ※信頼の根拠は1つだけ。長い自己紹介は不要

【25〜30秒|この先の予告】
「最後に、〈最も知りたいこと〉についてもお話しします。」
 ※最後まで見る理由を渡す

⚠ 「チャンネル登録お願いします」を冒頭に置かない

まだ価値を渡していない段階でのお願いは、離脱の理由になります。登録の案内は、価値を渡した後(中盤以降)か終盤に、軽く触れる程度が効果的です。

02

8〜15分動画の基本構成

以下の6ブロック構成が、解説系動画では最も安定します。各ブロックの時間配分も併記します。

  1. 1

    オープニング(0:00〜0:30)

    上記の冒頭30秒の型。ここだけは何度も書き直してください。

  2. 2

    問題提起(0:30〜2:00)

    視聴者が抱えている状況を言語化します。「〜で困っていませんか」ではなく「〜のとき、こう思いますよね」と代弁すると刺さります。

  3. 3

    本編①②③(2:00〜11:00)

    見出しを3つに分け、各3分程度。1つの見出しにつき〈結論 → 理由 → 具体例〉の順で話します。具体例に自社の一次情報を入れるのがポイントです。

  4. 4

    転換(適宜)

    本編の合間に「ここまでで〜が分かりました。次は〜です」と入れると、離脱ポイントを越えやすくなります。話題が変わる箇所は必ず一言挟んでください。

  5. 5

    まとめ(11:00〜13:00)

    3つの見出しを1文ずつで復習。ここで初めて「今日の話が役に立ったら登録してください」と軽く触れます。

  6. 6

    次への接続(13:00〜13:30)

    関連する次の動画を1本だけ名指しで案内します。「他の動画も見てください」は効果がありません。1本に絞ってください。

03

情報の配分:6:3:1のバランス

台本の中身は、次の比率を意識すると「役に立つのに、この人から聞きたい」という状態を作れます。

一般論・体系的な話

6割

調べれば分かるが整理されていない情報

自社の一次情報

3割

実例・数字・現場・失敗談

視聴者の代弁

1割

「こう思いますよね」という共感

自分語りが6割を超えると、視聴者は「宣伝だ」と感じて離脱します。逆に一般論だけだと「どこかで聞いた話」になり、覚えてもらえません。体系的な整理の中に、自社にしか出せない実例が挟まっている状態が理想です。

一次情報の入れ方(例)

「一般的には〜と言われます。ただ、うちで実際に〈件数〉件やってきた中では、〈実際に起きること〉のほうが多いです」——この形にすると、一般論と一次情報が自然に繋がります。

04

台本フォーマット(コピーして使用)

📋 台本フォーマット

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【動画タイトル案】(3案出す)
 A.
 B.
 C.
【サムネ文言案】(13文字以内 / 3案)
 A.        B.        C.
【対象視聴者】(ペルソナシートから転記)
【この動画のゴール】見終わった人が〈    〉と思い、〈    〉する
【想定尺】   分
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 0:00-0:30 オープニング
(結論の先出し)
(自分ごと化)
(名乗り)
(この先の予告)

■ 0:30-2:00 問題提起
・視聴者の状況の代弁:
・なぜそれが起きるのか:

■ 2:00-5:00 本編①〈見出し〉
・結論:
・理由:
・具体例(自社の一次情報):

■ 5:00-8:00 本編②〈見出し〉
・結論:
・理由:
・具体例:

■ 8:00-11:00 本編③〈見出し〉
・結論:
・理由:
・具体例:

■ 11:00-13:00 まとめ
・①  ②  ③ を1文ずつ
・軽い登録案内:

■ 13:00- 次の動画への接続
・案内する動画(1本だけ):

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【チェック】
□ 冒頭30秒に挨拶が入っていないか
□ 1本1テーマになっているか
□ 一次情報が3割入っているか
□ 話題転換の一言が入っているか
□ 専門用語を視聴者の言葉に直したか
□ 終盤のCTAが押しつけがましくないか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
05

離脱を防ぐ書き方の技術

  • 結論を先に言う:理由から話し始めると、結論まで待てずに離脱されます。すべての見出しで結論が先です。
  • 一文を短く切る:話し言葉で長い文は理解されません。40〜60文字程度で切ってください。
  • 数字を入れる:「かなり多い」より「10件中7件」。具体性が信頼を作ります。
  • 「ここからが重要です」を要所に置く:注意を引き戻す効果があります。使いすぎると効果が薄れるので、1本に2回まで。
  • 専門用語は必ず言い換える:業界用語をそのまま使うと、その瞬間に離脱されます。使う場合は直後に説明を添えます。
  • 冷たい言い方を避ける:「課題」「自己流」など、責める響きのある言葉は避けてください。視聴者は責められると離れます。

⚠ 台本の丸読みは維持率を下げます

一字一句書いた台本をそのまま読むと、視線と抑揚が不自然になり、伝わり方が大きく落ちます。台本は箇条書きレベルまで作り、話し方は本人に委ねるのがおすすめです。どうしても読む場合は、プロンプター位置をカメラの近くに置いてください。

⚡

ここだけ押さえれば伸びやすくなる

  • 1 冒頭30秒がすべて。挨拶を消し、結論の先出し・自分ごと化・短い名乗り・予告の4点に置き換える。
  • 2 1見出しにつき〈結論 → 理由 → 具体例〉。理由から話し始めない。
  • 3 情報配分は一般論6:一次情報3:代弁1。自分語りが増えた瞬間に離脱される。
  • 4 話題が変わる箇所には必ず転換の一言を入れる。離脱の谷はほぼここで起きている。
  • 5 終盤の案内は次の動画を1本だけ名指しする。「他も見て」は誰も動かない。
⚠️

よくある失敗と回避法

✕ 挨拶と自己紹介で1分使う

最も多い失敗であり、最も損失が大きい失敗です。挨拶は10秒以内、名乗りは実績1つだけにしてください。

✕ 1本に3テーマ詰め込む

タイトルが付けられなくなり、CTRも維持率も落ちます。分けて別の動画にしたほうが総再生時間は増えます。

✕ 台本を一字一句読み上げる

目線と抑揚が不自然になります。箇条書きにして、自分の言葉で話してください。

✕ まとめが無いまま終わる

まとめは復習効果に加えて、最後まで見た人へのご褒美でもあります。3行でいいので必ず入れてください。

✅

実行チェックリスト

※ チェック状態はこの端末に保存されます

  • 台本フォーマットを社内に共有した
  • 冒頭30秒を型に沿って書き直した
  • 1本1テーマになっているか確認した
  • 一次情報(実例・数字)を3割入れた
  • 台本末尾のチェック6項目を全て確認した