競合とは「同業他社」ではなく「同じ視聴者の時間を奪う相手」
調査を始める前に、競合の定義を正しておきます。YouTubeにおける競合は同業他社ではありません。自社の見込み客が、YouTubeを開いたときに実際に見ているチャンネルすべてが競合です。
たとえば工務店であれば、競合は他の工務店だけでなく、住宅系インフルエンサー、DIY系、不動産投資系、暮らし系Vlogまで含まれます。視聴者の可処分時間を取り合っている相手を見ないと、勝ち筋を見誤ります。
見るべき競合の3分類
①同業チャンネル(同じサービスを扱う)/②同テーマチャンネル(業種は違うが同じ悩みを扱う)/③同ターゲットチャンネル(テーマは違うが見ている人が同じ)。この3種類を混ぜてリスト化すると、企画の幅が一気に広がります。
競合リストの作り方(30分で10件)
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1
見込み客が使う検索語を10個書き出す
社内用語ではなく、視聴者が実際に打ち込む言葉で書きます。「(悩み)+ 方法」「(サービス名)+ 選び方」「(地域)+(業種)」など。この10個がそのまま企画の種にもなります。
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2
YouTube検索で上位に出るチャンネルを控える
検索結果の上位20本を見て、チャンネル名・登録者数・公開日を記録します。同じチャンネルが複数回出てくる場合、そこが最重要の競合です。
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3
関連動画・おすすめから横に広げる
上位動画を1本再生し、右側(スマホでは下部)の関連動画に出てくるチャンネルを追加します。ここに出るチャンネルは、YouTube自身が「同じ視聴者向け」と判断している相手です。
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4
フィルタで「今伸びているか」を確認する
検索結果のフィルタで期間を「今月」「今年」に絞り、直近で伸びているチャンネルを特定します。過去の実績だけで判断すると、すでに落ち目の型を真似することになります。
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5
10件をシートに整理する
登録者数/投稿頻度/平均再生数/直近の伸びている動画3本、をまとめます。ここまでで調査の土台が完成です。
| 記録項目 | 見る場所 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 登録者数 | チャンネルトップ | 自社が現実的に戦える規模帯かの判断 |
| 投稿頻度 | 動画タブの公開日 | 必要な運用体制の見積もり |
| 平均再生数 | 動画タブの直近10本 | そのテーマの需要規模の把握 |
| 伸びた動画(平均の3倍以上) | 動画タブを「人気の動画」で並べ替え | 勝ち筋テーマの特定。最重要項目 |
| サムネの型 | 動画タブの一覧表示 | 自社が差をつけられる見た目の余地 |
「なぜ伸びたか」を4つの角度で言語化する
伸びた動画を眺めるだけでは学びになりません。次の4項目に分解して記録すると、そのまま自社の企画に転用できます。
誰の、どの場面の悩みか
「家を建てたい人」ではなく「見積もりが出てきて高いと感じた瞬間の人」まで具体化します。ここが細かいほど刺さります。
タイトルでどんな約束をしているか
『〜の落とし穴5つ』『〜する前に必ず見て』など、視聴者が得られるものの提示のしかたを写し取ります。
サムネで何を1つだけ伝えているか
伸びているサムネはほぼ例外なく要素が少ないです。文字数・写真の有無・表情を記録します。
冒頭30秒で何をしているか
実際に再生して確認します。結論の先出し/失敗談/視聴者の代弁など、型が見えてきます。
調査のゴールは「真似すること」ではなく、需要が証明されているテーマを見つけることです。テーマは借りて、中身は自社の一次情報で差をつけます。
空きポジションの見つけ方
10件の調査が終わると、必ず「誰もやっていないが、需要はありそうな領域」が見えてきます。次の観点で探してください。
- 深さの空き:みんな入門編ばかり出していて、実務レベルの話が無い(またはその逆)
- 対象者の空き:初心者向けは多いが、経験者・法人向け・地域限定が無い
- 形式の空き:解説動画ばかりで、実際の現場・ビフォーアフター・密着が無い
- 語り手の空き:一般論を話す人は多いが、実際にやっている当事者が語っていない
- 更新の空き:情報が古いまま伸び続けている動画がある(最新版を出す余地)
⚠ 「競合が少ない=チャンス」とは限りません
誰もやっていない領域は、単に需要が無いだけの場合もあります。空きを見つけたら必ず「その言葉で検索している人がいるか」「近いテーマで伸びている動画があるか」の2点で裏を取ってください。
そのまま使える競合調査シート
以下をスプレッドシートに貼り付けて使ってください。MTGでもこの形式で共有いただくと、その場で企画に落とし込めます。
📋 競合調査シート(コピーして使用)
【調査日】2026/ / 【自社チャンネル】 【想定視聴者が使う検索語(10個)】 1. 2. … ■ 競合チャンネル一覧 | # | チャンネル名 | 分類(同業/同テーマ/同ターゲット) | 登録者 | 投稿頻度 | 平均再生 | 直近の伸びた動画 | |---|------------|------------------------------|-------|---------|---------|----------------| | 1 | | | | | | | | 2 | | | | | | | ■ 伸びた動画の分解(3本以上) ・動画タイトル: - 誰の、どの場面の悩みか: - タイトルの約束: - サムネで伝えている1つ: - 冒頭30秒の型: - 自社で転用するなら: ■ 見つけた空きポジション(1つに絞る) ・空きの種類(深さ/対象者/形式/語り手/更新): ・そこに需要がある根拠: ・自社が勝てる理由(一次情報・実績・人):
ここだけ押さえれば伸びやすくなる
- 1 競合=同業他社ではなく同じ視聴者の時間を取り合う全チャンネル。ここを広く取ると企画の幅が変わる。
- 2 調べるのは「伸びた動画」だけ。平均の3倍以上再生されている動画に、そのテーマの需要が全部出ている。
- 3 テーマは借りて、中身は自社の一次情報で差をつける。需要の証明済みテーマ × 自社にしか出せない中身が最強の組み合わせ。
- 4 空きポジションは「誰もやっていない」だけでは不十分。需要の根拠とセットで確認する。
- 5 調査は一度で終わらせず、月1回更新する。上位の顔ぶれは半年で入れ替わる。
よくある失敗と回避法
✕ 大手チャンネルだけを見てしまう
登録者10万超の作り方は、体制も予算も前提が違います。参考にすべきは登録者1,000〜3万人帯で今伸びているチャンネルです。
✕ チャンネル単位でしか見ない
伸びているのはチャンネルではなく個別の動画です。必ず動画単位、それも平均の3倍以上伸びた動画を見てください。
✕ サムネを丸ごと真似する
配色や構図の考え方は参考にすべきですが、丸写しは自社の識別性を失わせます。要素の数と情報量の設計だけを借りてください。
✕ 調査したまま企画に反映しない
調査シートの最下段「自社で転用するなら」を必ず埋めてください。ここが空欄だと調査時間がまるごと無駄になります。
実行チェックリスト
※ チェック状態はこの端末に保存されます
- 検索語を10個書き出した
- 競合チャンネルを10件、3分類でリスト化した
- 伸びた動画を3本以上、4つの角度で分解した
- 空きポジションを1つに絞り、需要の根拠を確認した
- 転用する企画案を3つ書き出した
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