YouTube版 3C分析:チャンネルの立ち位置を1枚にする
マーケティングの3C分析を、YouTube運用の判断に使える形に落とし込みます。難しく考える必要はありません。次の3つの問いに、それぞれ3行ずつ答えるだけです。
| 視点 | 答える問い | 動画づくりでの使い道 |
|---|---|---|
| Company (自社) | 自社にしか出せない情報・実績・人は何か? 社内に蓄積されている「答えられること」は? | 他社が真似できない中身の源泉。動画の説得力になる |
| Customer (顧客) | 見込み客はどんな場面で困り、何を検索するか? 購入前に必ず抱く不安は何か? | 企画テーマとタイトルの言葉づかいの元になる |
| Competitor (競合) | 同じ視聴者に、誰が何を発信しているか? まだ語られていないことは何か? | 差別化の方向とポジションの決定に使う |
この3つが重なる場所、すなわち「自社が語れて、顧客が知りたくて、競合が語っていないこと」が、チャンネルの主戦場です。ここが決まれば、企画は自動的に出てくるようになります。
自社が語れる × 顧客が知りたい × 競合が語っていない = このチャンネルが存在する理由
ペルソナは「属性」ではなく「場面」で決める
よくあるペルソナ設定の失敗は、年齢・性別・年収といった属性だけを並べて終わることです。属性だけでは動画は作れません。必要なのは「その人がどんな場面で、何を思って検索するのか」です。
たとえば同じ「40代男性・経営者」でも、〈創業して間もなく資金繰りが不安な場面〉と〈事業承継を考え始めた場面〉では、刺さる動画がまったく異なります。ペルソナは場面まで含めて1つに決めてください。
-
1
実在する顧客を1人思い浮かべる
架空の人物を作るより、実際に契約した顧客・問い合わせをくれた人を1人選ぶほうが精度が上がります。営業担当や現場スタッフに聞くのが最短です。
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2
その人が困っていた「場面」を書く
いつ・どこで・何をしていて・何に詰まったか。時間帯や状況まで書けると、動画の冒頭がそのまま作れます。
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3
その場面で頭に浮かぶ言葉を書き出す
本人が使う言葉をそのまま書きます。ここで出てきた言葉が、そのままタイトルとサムネの文言になります。
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4
知った後にどうなってほしいかを書く
動画を見終わったときの状態(安心した/比較軸が分かった/問い合わせたくなった)を決めます。これが動画のゴールです。
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5
その人に見せて違和感がないかで判断する
以降、企画で迷ったら常に「この人はこの動画をクリックするか?」で判断してください。判断が驚くほど速くなります。
企業チャンネルの目的指標を先に決める
再生数はあくまで途中経過です。企業チャンネルでは、何が起きたら成功なのかを先に決めておかないと、途中で判断がぶれます。次の中から主目的を1つ、補助目的を1つ選んでください。
問い合わせ・見込み客獲得
概要欄やコメント経由の反応、指名検索の増加を追います。再生数が少なくても、成約に繋がれば成功です。
採用・応募数の増加
社内の様子や働く人を見せる動画が効きます。応募時のアンケートに「YouTube」の項目を作ると計測できます。
信頼補強(提案の後押し)
商談前後に見てもらう前提の動画。再生数より「営業が使えるか」が評価軸になります。
認知拡大・指名検索の増加
広く届ける設計。Google/YouTubeでの社名・サービス名の検索数の推移で測ります。
計測の仕込みは今のうちに
問い合わせフォームに「どこで知りましたか」の選択肢を追加する、概要欄リンクに計測用パラメータを付ける、といった準備は動画を出す前にやっておくと、3ヶ月後の判断材料が段違いになります。
ペルソナシート(記入テンプレート)
📋 ペルソナシート
【このチャンネルが届ける相手】 ■ 基本 ・名前(仮): ・年齢/職業/立場: ・実在モデル(誰か): ■ 場面(最重要) ・いつ、どこで、何をしているときに困るか: ・そのとき何を検索するか(本人の言葉のまま): ・すでに試して、うまくいかなかったこと: ・誰にも聞けずにいること: ■ 感情 ・不安に思っていること: ・本当は避けたいこと: ・こうなれたら理想だと思っていること: ■ 動画を見終わったあとの状態(ゴール) ・分かること: ・感じること: ・とってほしい行動: ■ この人が絶対に見ない動画(除外条件) ・
このシートは、台本作成(LESSON 09)とサムネイル作成(LESSON 14)で毎回参照します。1枚だけ印刷して、企画会議のたびに机に出しておくのが最も効果的な使い方です。
ここだけ押さえれば伸びやすくなる
- 1 ペルソナは属性ではなく「場面」で決める。場面が具体的なほど、冒頭とタイトルが自動的に決まる。
- 2 「自社が語れる × 顧客が知りたい × 競合が語っていない」の重なりが主戦場。ここ以外の企画は基本やらない。
- 3 視聴者本人が使う言葉をそのまま集める。社内用語に翻訳した瞬間、検索にも心にも引っかからなくなる。
- 4 目的指標(問い合わせ/採用/信頼補強/認知)を先に1つ決める。再生数だけを追うと方向を見失う。
- 5 計測の仕込み(アンケート項目・リンク設定)は動画公開前に済ませておく。後からは取り返せない。
よくある失敗と回避法
✕ ペルソナを複数人設定する
対象が増えるほどメッセージは薄まります。まず1人に絞り、その人向けの動画で数字が出てから広げてください。
✕ 社内の言いたいことから企画する
「伝えたいこと」ではなく「知りたいこと」から始めます。伝えたいことは、知りたいことの中に混ぜ込みます。
✕ 属性だけ決めて場面を書かない
「30代女性」だけでは動画は1本も作れません。場面・検索語・感情まで書いて初めて使えるペルソナになります。
✕ 目的指標を決めずに走り出す
3ヶ月後に「伸びたのか?」を判断できなくなります。最初に1つ決めておけば、途中の意思決定が全部速くなります。
実行チェックリスト
※ チェック状態はこの端末に保存されます
- 3Cを各3行ずつ書き出した
- 実在する顧客を1人選び、ペルソナシートを埋めた
- 視聴者本人が使う言葉を10個以上集めた
- 目的指標を1つ決め、社内で共有した
- 計測の仕込み(アンケート項目など)を依頼した
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